健全チラ裏読書メモ 62
- 2018/07/18
- 00:14
鹿島田真希『ピカルディーの三度』(講談社)表題作のみ中編の長さで、他に短編4作収録。2004年~2007年の作品。「美しい人」は、兄に対する妹の熱烈な片想いが、妹の一人称で語られる。妹の兄に対する欲望は、サディスティックかつマゾヒスティック。倒錯的な激しい愛が、キリスト教的な信仰の形に似てくるのが、この人の作品としてはお約束のパターンであろうか。妹は、ある日とうとう、眠っている兄にキスをしてしまう。その時...