健全チラ裏読書メモ 33
- 2015/09/20
- 00:18
1 マリオ・バルガス=リョサ『継母礼賛』(集英社文庫) ★★★☆小悪魔的美少年、アルフォンシート(※)が、美しい継母ルクレシアを誘惑し、家庭崩壊に導く文藝官能小説。巻頭に、でかい尻の裸婦を描いたロココ絵画や、フランシス・ベーコンの絵などが掲げられ、小説のモチーフとして使われている。アルフォンシート、ルクレシア、父親のリゴベルトは、それぞれ官能的な幻想世界を脳内に構築しているらしい。幻想部分は、やはりアルフ...
健全チラ裏読書メモ 32
- 2015/09/13
- 18:49
1 脇明子『魔法ファンタジーの世界』(岩波新書) ★★★ トールキン『指輪物語』、ルイス『ナルニア国物語』、ル・グイン『ゲド戦記』など(※)、魔法ファンタジーの名作を解読し、それらの元となった伝承文学の歴史をたどる。著者は、昨今の作品に「グロテスクなシーンや残虐なシーンが目立つもの、人間観や世界観が冷たいものが多いこと」を憂いており、子供への悪影響を心配している。自分としては「そんなの昔からだろ、何をいま...
健全チラ裏読書メモ 31
- 2015/09/08
- 00:41
一日一冊読書は、先月でやめると宣言したのだが、さらに一週間延長し記録更新したので、自慢がてら御報告します。評価の星は、☆=0.5点を導入し10段階にしました。微妙な読後感のもあるので。1 三浦俊彦『エクリチュール元年』(青土社) ★★★★当単行本は2007年初版だが、98年にマイナーな出版社からも出ている。3作収録。作者のあとがきによると「大学小説集」とのこと。最初の作品「実習校」は、大学の専任講師が、教え子の教育実...