健全チラ裏読書メモ 29
- 2015/07/19
- 16:21
吉村萬壱『クチュクチュバーン』(文春文庫)やや長めの短編(もしくは短めの中編)2作と短編1作収録。3編とも、ほとんど同じような話であり、主題もまったく同じ。表題作「クチュクチュバーン」は、人類が怪物化し、さらに有機物・無機物問わず同化融解していく未来の滅亡SF。こういう、人類が奇形化・怪物化していく滅亡SFやホラーというのは、昔からたくさんあり、個人的には筒井康隆の『幻想の未来』がまず思い浮かぶし、古賀...
健全チラ裏読書メモ 28
- 2015/07/11
- 00:17
長野まゆみ『超少年』(河出文庫)初出は「文藝」99年夏号。文庫初版は2010年。長野作品を読むのはこれで4作目。これも『新世界』と同様に、植物的な少年のエロスを、より直接的に展開させたもの。(以下ネタバレ注意)スワン少年は、兄のカイトと二人暮らし。13才の誕生日に、「ピエロα・β・γ」と称する、同じ容姿の三人の少年から、いきなり「王子」と認定される。スワンは、身体に異変を生じていて、皮膚に水疱が出来、そこから...
ショタコン・ミュージック 72
- 2015/07/08
- 19:31
Masabumi Kikuchi @ Sound Live Tokyo 2012 ジャズピアニスト・キーボーディストの、菊地雅章さんが7日に亡くなりました。R.I.P.動画は2012年のピアノソロですが、これは素晴らしいですね。びっくりしました。弾きながら唸る癖も封印してます。Masabumi Kikuchi Circle/Lineこの人のアルバムでは「ススト」が一番ポピュラーでしょうか。あらためて聴くとやはり傑作ですね。あまり古びてもいない。マイルスの「On the corner」と比...
健全チラ裏読書メモ 27
- 2015/07/06
- 04:10
長野まゆみ『新世界 1st~5th』全5巻(河出文庫) 96年から「文藝」に連載され、5thの単行本は98年に出ている。文庫は2006年発行。この作家の作品を読むのは『少年アリス』『三日月少年の秘密』に続き三作目。思ってたよりは読みやすく、遅読の自分にしては早く読了した。しかし、SFではよくあることだが、設定がややこしい上に曖昧で、謎は錯綜しており、登場人物のアイデンティティや記憶は不確実で、常時揺らぎ続けるので、つ...
ショタコン・ミュージック 71
- 2015/07/05
- 00:51
梅雨明けは、まだっぽいですが、気分はもう夏。夏といえばボサノバ(なんとなく)岡崎友紀 イパネマの少年 ボサノバのスタンダード「イパネマの娘」ですが、英語圏では女性が歌う時に、girlをboyに変換する事が多く、これはそれを踏襲したのでしょう※。 (ただしアストラッドが英語で歌ったのはgirlのままである)意外と言っては失礼だが、かなり上手いのでびっくり。 岡崎友紀は、テレビ時代の青春スターであり、アイドルの元...