健全チラ裏読書メモ 59
- 2018/02/03
- 00:08
高野ひと深『私の少年』1(双葉社)「このマンガがすごい!2017」のオトコ編2位になった作品。一応、おねショタ恋愛漫画だが、当該ジャンルのマニアではなく、一般読者向けの作品として描かれている(※1)。あとがき漫画によると、作者(女性)はショタコンではないとのこと。だからこそ、一般人にも受けたのかもしれない。自分はブックオフでこれを見かけて買ってみたはいいが、いろんな意味で読むのにしんどさを感じ、最初はざっ...
健全チラ裏読書メモ 56
- 2017/09/18
- 20:48
古屋兎丸『ぼくたちのひかりクラブ・下』(太田出版)前回紹介した、上巻の「小学生篇」に続く「中学生篇」で、本篇『ライチ☆光クラブ』と時系列が重複する。2012年第一刷。冒頭では、ゼラの制定した「光クラブ10の掟」が朗唱される。掟の文言が妙に抽象的でわかりにくいところが面白いのだが、簡単に要訳すると、感情・友情・愛・大人を否定し、冷たい理知と美と永遠の少年性を肯定し、自分たちを「チェスの駒」に見立てることを...
健全チラ裏読書メモ 55
- 2017/09/15
- 23:45
古屋兎丸『ライチ☆光クラブ』(太田出版)これはかなり前に読んだ漫画だが、一応感想文を貼っておく。80年代に飴屋法水が主催した劇団「東京グランギニョル」の代表的な演目をコミカライズしたもの。2006年第一版第一刷。作者は高1の頃に東京グランギニョルに出会い大ファンになったという。絵柄や世界観がほとんど丸尾末広だと思っていたら、そもそも丸尾末広は東京グランギニョルの宣伝美術を担当しており、古屋が最も影響を受け...
健全チラ裏読書メモ 54
- 2017/07/06
- 22:14
西島大介『世界の終わりの魔法使い』(河出書房新社)【ネタバレ注意】サン・フェアリー・アンという魔法少女のシリーズ漫画第1作目。舞台は「時のない惑星」の、「魔王のお城」のある小さな村。「魔王のお城」とは魔王と呼ばれる最凶最悪の魔法使いを幽閉した刑務所である。魔王は千年前の魔法大戦で惑星をいくつもぶっ壊してきたのだ。ここの住民の子供たちは、魔王の影響なのか、みんな魔法が使え箒で空も飛べる。だが、ムギと...
健全チラ裏読書メモ 53
- 2017/07/01
- 03:45
古屋兎丸『インノサン少年十字軍』上・中・下(太田出版)かなり以前から読みたいと思っていた漫画だが、上中下合わせて3600円と、漫画にしてはやや高い物件なので(※1)、なかなか手が出なかった。結局ブックオフで買った(セコい)時は1212年、フランス北部の小さな田舎町の少年たちが、少年十字軍を結成し、エルサレム奪還の旅に出発する。養豚業の子だが騎士に憧れる直情的な熱血少年ニコラと、啓示を受け奇跡を行う力を得た羊...